探偵社や興信所はいつ設立され、どのような人が開業したのか。
また、探偵の語源とはいったいなんなのか。
探偵社興信所の歴史について、ここでは紹介致します。
・探偵社と興信所の起こり
探偵の歴史は以外と古くから伝わります。
私立探偵と呼ばれた人達は、欧米諸国(イギリスやフランス等)で既に存在していたようですが、探偵社興信所の設立までには至らなかったようです。
探偵社や興信所が設立された理由としては、商業や産業が発展し、生活範囲が広がった為、個人では情報が収集できなくなったからです。つまりは近所付き合いができなくなったので、探偵社興信所ができたわけです。
世界ではじめて探偵社が設立されたのが、1833年のフランスです。
探偵社も、私立探偵社でフランソワ・ビドックという人物が設立しました。
フランスの兵士であり犯罪者でもあったフランソワ・ビドック。
脱獄と変装のプロであった彼は、出獄後、パリ警察に密偵として重宝され、スパイや情報入手を主としていたようです。
その後、アメリカの探偵社で最も有名なピンカートン探偵社は1852年(興信所は1841年のダン興信所)に設立されています。
アメリカの探偵社興信所は、企業を相手にした調査ではなく、主にボディガードやガードマンなどの警護や警備を主として重宝されていたようです。
実際に、ピンカートン探偵社はリンカーンの暗殺計画を未然に阻止し、その探偵社の名を轟かせました。現在でも、ピンカートン探偵社は警備会社として営業をしています。
・日本の探偵社と興信所の歴史
日本で探偵社興信所が設立されたのは、1889年。東京の日本橋に設立されています。その後、1895年の岩井三郎探偵事務所(私立探偵)というのも続けて確認されています。
興信所は1892年に商業興信所、商工社が設立されています。
特に岩井三郎探偵事務所は探偵社として有名です。シーメンス事件の調査を担当したり、探偵小説で有名な作家、江戸川乱歩も弟子入りしていたり、1930年には初の女性の探偵である天野光子が入所しています。
探偵社興信所は、産業革命などによる産業の発展、都市開発とともに設立され、探偵社、興信所ともに得意な分野を発展させて、現在の探偵社興信所にまで至っています。
以前の探偵社興信所は特に届出が必要なく、探偵と名乗れば誰でも開業できたため、料金を騙されたり、脅されたりして契約を結ばされたりと、まさにやりたい放題の状況でした。探偵社興信所による事件も多数ありました。
今でも探偵社興信所が怖い、怪しいというイメージが払拭されないのは、こういったことがあった為です。
こういった業界の浄化を図ろうと、一部の優良な探偵社、興信所が団結し、
昭和63年に社団法人日本調査業協会、そして2007年6月には探偵業法ができました。これにより少しづつではありますが、探偵業界の健全化が計られてきています。
・探偵という言葉の語源
探偵の語源は、明治維新後から知られるようになったとされています。
当時は治安が安定せず、各地でおこるテロや暴動の対策をする為、政府が各地に密偵を配置させて情報を収集していました。この頃から探偵という言葉が出始め、語源とされています。当初は警察官を探偵と呼んだりもしていたようです。
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